認定病理検査技師試験~①法的知識及び病理診療報酬⑴~

臨床検査技師

昨日は1日寝込んでしまった、むーたんです!

本日は、さっそく前回予告した通り、実際の認定病理検査技師試験の過去問を中心に知識の振り返りをしていこうと思います。(過去問はうろ覚えのところもありますので、ご了承ください(*_*;)

【病理診断報酬】
診療報酬は原則的に2年に一度、西暦偶数年に改定されます。(介護保険は3年に一度の改定)
本年2022年は診療報酬改定があった年です。点数が変更された項目や、新たに追加された項目は要チェックですよ!!!
『しろぼんねっと』というホームページが分かりやすくてオススメです。病理診断は第13部ですよ~

《過去問1》
病理標本作製について正しいものを1つ選べ。
①両側乳癌:2臓器算定した
②食道と胃:2臓器算定した
③十二指腸と胃:2臓器算定した
④胃とリンパ節:3臓器算定した
⑤上行結腸・横行結腸・下降結腸:3臓器算定した




正解はです。
①両側乳癌:2臓器算定した⇒1臓器
②食道と胃:2臓器算定した
③十二指腸と胃:2臓器算定した⇒1臓器
④胃とリンパ節:3臓器算定した⇒2臓器
⑤上行結腸・横行結腸・下降結腸:3臓器算定した⇒1臓器

〈解説〉
第1節 病理標本作製料  N000 病理標本作成より
1) 「1」の「組織切片によるもの」について、次に掲げるものは、各区分ごとに1臓器として算定する。
ア 気管支及び肺臓
イ 食道
ウ 胃及び十二指腸
エ 小腸
オ 盲腸
カ 上行結腸、横行結腸及び下行結腸
キ S状結腸
ク 直腸
ケ 子宮体部及び子宮頸部

上記は基本的なことなので絶対に押さえておきましょう。
ちなみに、
1 組織切片によるもの(1臓器につき)860点
2 セルブロック法によるもの(1部位につき)860点
ですので、これも覚えておきましょう。

 

《過去問2》
診療報酬平成30年改定について誤っているのはどれか。
①セルブロック法が増点になった
②婦人科材料液状検体加算が36点になった
③悪性腫瘍病理組織標本加算が150点ついた
④デジタル病理画像を用いた診断で病理診断料が算定できる
⑤PD‐L1タンパク免疫染色病理標本作製に2700点ついた




正解はです。
①セルブロック法が増点になった
⇒細胞診の項目から病理組織標本作製の項目に移動しましたが、点数は860点から変更されていません。
ちなみに、デジタル病理画像を用いた診断は保険適応は、現在は生検組織検体に限定されています。

このように、改定で変更や追加された項目は試験によく出るので必ず確認しておきましょう!!!

 

《過去問3》
術中迅速病理組織標本作製について正しいものを2つ選べ。
①DPC算定である
②点数は190点である
③3臓器分請求できる
④術後に再確認のために精密な病理組織標本作製を行った場合は、病理組織標本作製料 を別に算定できる
⑤1手術につき1回算定できる




正解は④⑤です。

①DPC算定である
②点数は190点である⇒1990点
③3臓器分請求できる⇒3臓器まで請求できるのは、病理組織標本作製料 
④術後に再確認のために精密な病理組織標本作製を行った場合は、病理組織標本作製料 を別に算定できる
⑤1手術につき1回算定できる

 

《過去問4》
確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色の加算がとれる疾患に該当しないのはどれか。
①悪性リンパ腫
②内分泌腫瘍
③GIST
④大腸癌
⑤悪性中皮腫

 




正解はです。

〈解説〉
N002 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製
注2 8について、確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者に対して、標本作製を実施した場合には、1,200点を所定点数に加算する。

通知(8) 「注2」に規定する「確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者」とは、原発不明癌、原発性脳腫瘍、悪性リンパ腫、悪性中皮腫、肺悪性腫瘍(腺癌、扁平上皮癌)、消化管間質腫瘍(GIST)、慢性腎炎、内分泌腫瘍、軟部腫瘍、皮膚の血管炎、水疱症(天疱瘡、類天疱瘡等)、悪性黒色腫、筋ジストロフィー又は筋炎が疑われる患者を指す。これらの疾患が疑われる患者であっても3種類以下の抗体で免疫染色を行った場合は、当該加算は算定できない。

これも頻出問題ですので、該当する疾患は全て覚えましょう。私が検査センターに勤務していた頃は、保険点数を申請される病院から問い合わせが良くある項目でした。

診療報酬は「注」や「通知」に重要なことが書かれていることがあるので、注意です。

また、免疫染色はそれぞれの点数も覚えおいた方がいいですよ~
1 エストロジェンレセプター 720点
2 プロジェステロンレセプター 690点
3 HER2タンパク 690点
4 EGFRタンパク 690点
5 CCR4タンパク 10000点
6 ALK融合タンパク 2700点
7 CD30 400点
8 その他(1臓器につき) 400点

通知(3) 「1」のエストロジェンレセプターの免疫染色と「2」のプロジェステロンレセプターの免疫染色を同一月に実施した場合は、いずれかの主たる病理組織標本作製の所定点数及び注に規定する加算のみを算定する。

 

今回はここまでです。
では、また次回~(‘ω’)ノ

 

 

 

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